8/12付日本経済新聞23面「総合型人材」(ゼネラリスト)について

「多面的に考える」が第一歩

先週8月12日(木)の『日本経済新聞』23面「経済教室」で、一橋大学の伊藤邦雄教授の「(3)経営革新へ視野広げよ〜総合型人材の育成を」が掲載されました。皆様もご覧になったことと存じます。当社でも興味深く拝見させていただきました。そこで、この内容について当社なりに考えてみましたので紹介させていただきます。

記事のポイントは3点

1.企業の競争力劣化、90年代に根本的要因
バブル崩壊後、企業は、本社のスリム化、成果主義・社内カンパニー製・IT化を導入。「失われた20年」をもたらす日本企業の競争力低下は「部分」の強みに特化しすぎてコモディティー化したことに起因する。


2.部分最適化への傾倒が全体効率の低下に
しかし、部分最適化・社員の視野狭さく化・部門間の連携不足が進み、競争力劣化に陥った。今後必要なことは、「部分最適」から「全体最適」化し、新たな事業やイノベーションを模索していくことである。全体最適型プロデューサー(総合型人材=ゼネラリスト)を早急に育成すべき。


3.大企業とベンチャーの連携の少なさに反省を
そのためには、仕組みづくりと、他業種との連携によって視野を広げることが大切である。特に、大企業とベンチャー企業が連携することで、閉鎖性を解き放ち、躍動感に満ちた企業家精神に触れることが大切である(例:トヨタ自動車が米ステラ・モーターズと提携した)

ゼネラリスト育成のための第一歩「立場を変え、多面的に考える」

この記事を受け、当社で考えた「総合型人材育成」のための第一歩は、
「立場を変え、多面的に考える」ということです。インソースの研修では、この視点を特に重視しています。


当社はほぼすべての階層別研修で、「立場を変えて考える」という時間を設けています。冒頭で実施する、下記のようなワークです。


例:段取り力研修(リーダー・管理職向け研修)
「私がお客様だったら、当社に何をしてほしいか?」
「当社は社会・ライバル社からどう見られているか」
「私が経営トップだったら、リーダーにまず何をしてほしいか?」
「私が部下だったら、リーダーにまず何をしてほしいか?」

まず自分で考え、グループ内で共有、それをクラス内で共有する、という作業を通して、自分達で自ら求められる役割を導き出していきます。これにより、全体を俯瞰(ふかん)する見方が生まれ、自分の役割を広く捉えることができるようになります。また、目の前にある研修への積極性が生まれます。


当社は、この「多面的に考える」というワークを通し、自分の役割や部署だけに留まりがちな「部分最適」から抜け出し、「全体最適」化できる人材(=ジェネラリスト型人材)への第一歩を踏み出していただきたいと考えています。


特に多面的に考えることが大事な管理職向け研修
管理職研修〜組織理念を踏まえ、考え、行動し、組織をのばす編(1日間)
マネジメント研修 〜課題解決力向上編(2日間)